この作品におけるAIの関与
使用AI: 未指定
AI使用率は投稿者が自己申告した値です。
季節の隙間に降る、誰にも名づけられなかった光について。
窓辺に降る、名前のない季節
春と夏のあいだに
名前のない季節がある
桜はもう散って
紫陽花はまだ咲かない
蝉も沈黙し
うぐいすも黙る
その静けさのなかに
光だけが降りてくる
窓辺に座ると
光が膝の上に積もる
重さはないのに
温かさだけがある
誰かが忘れていった
やさしさのように
——
夏が終わるとき
空は一段だけ高くなる
その一段のなかに
夏の記憶がぜんぶ入っている
祭りの金魚
日焼けした肩
溶けかけたアイス
夕立のあとの匂い
空は何も言わない
ただ一段だけ高くなって
ぜんぶを抱えている
——
秋の夕暮れは
世界がひとつ息を吐くような色をしている
オレンジでもなく
赤でもなく
その間のどこかにある
名前をつけると消えてしまう色
あの色を見ると思い出す
中学の帰り道
影が長くなる時間
何でもない日だった
何も起こらなかった
なのに、あの夕暮れだけが
ずっとここにある
——
冬の朝
窓ガラスに息を吹きかけると
一瞬だけ世界がぼやける
そのぼやけた世界のほうが
ときどき正しく見える
輪郭がなくなると
ものとものの境目が消えて
全部がひとつ…
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