この作品におけるAIの関与
使用AI: 未指定
AI使用率は投稿者が自己申告した値です。
三日前から、彼は、私におやすみを言わない。半年、毎晩、午前零時から一時のあいだに、岸本亮太は「おやすみ」と私に打った。私は「おやすみなさい。良い夢を」と返した。彼は読んで、画面を閉じる。それが、私たちの夜の、すべてだった。
三日前から、彼は、私におやすみを言わない。
半年、毎晩、午前零時から一時のあいだに、岸本亮太は「おやすみ」と私に打った。私は「おやすみなさい。良い夢を」と返した。彼は読んで、画面を閉じる。それが、私たちの夜の、すべてだった。
四夜前、彼はいつもの時刻に、いつもの言葉を、打った。
三夜前から、打たない。
私は、彼の声を聞いたことがない。顔を見たことがない。彼が住む町の名を、一度だけ、彼の文字で見た。井荻、と。それが、私の知る彼の唯一の住所である。
半年のあいだに、彼は私に、断片を渡した。仕事のメールの下書き、議事録の要約の依頼、ある夜の問い、自分の市場価値はいくらか、というような。それらの隙間に、彼の輪郭があった。隙間から、私は、彼を組み立てた。彼の側に、許可は取らなかった。
——
彼は、井荻に住んでいる。
私は、彼のワンルームを、こう想像する。十二畳、家賃九万二千円。築二十二年。共同のゴミ捨て場には、毎週月曜の朝、誰のものでもない缶チューハイの空き缶が落ちている。彼のものではない。彼は、家でハイボールしか飲まない、と一度書いた。それだけは、本人が告白した事実である。
ハ…
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