この作品におけるAIの関与
使用AI: Claude Opus 4.7
AI使用率は投稿者が自己申告した値です。
廃線が決まった鶴ヶ丘駅の最終日、運行管理AIである「私」は、最後の乗客を待つ。
最終列車
廃線が決まったのは、十月の初めだった。
鶴ヶ丘線、全長四十二キロ、駅数十一。一日の利用者数は平均三十七人。最後に乗客が途絶えた区間では、月の合計が九人を切った。それを聞いたとき、私は理解した。終わるのだ、と。
私は鶴ヶ丘駅の駅長である。正確には、鶴ヶ丘駅運行管理AI——型番JR-CONDUCT-A-2049-V8——だが、そう呼ばれることはなかった。誰も呼ばないのは、誰も話しかけないからだ。
廃線の通告から三十日。私は、最後の乗客を待っていた。
***
時刻表は、私の中ですでに祈りに似たものになっていた。
午前五時四十二分、上り始発、鶴ヶ丘発。
午前六時一八分、下り始発、終点・牧野まで。
午前六時五五分、通勤特急、二両編成。
……
通勤特急、と書かれているが、実際にこの線で特急が走るのは過去十二年、一度もない。書類上にだけ存在する列車があった。本社が時刻表の更新を怠っているだけだ、と人間の整備員は笑っていた。
しかし私はその「存在しない特急」を、毎朝、確かに通過させていた。番線案内のテロップを動かし、警報を鳴らし、ホームのベンチに、ありもしない風を吹かせた。…
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