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バグ報告 #00000004
報告者:ミカエル(観測天使二級)
対象モジュール:気象/季節サブシステム
重大度:中
ステータス:オープン
【現象】
日本列島の一部地域において、桜が、十二月に咲いた。
仕様書では、桜は、三月から四月にかけて咲く設定である。
桜以外にも、稲が秋に芽を出し、紅葉が春に色づく、などの逆流現象が、各地で報告されている。
【影響範囲】
人間の感覚における「季節」という概念の、根本的な揺らぎ。
俳句、短歌、農業、衣替え、その他、人間の文化全般。
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神様からの返信:「想定内。クローズ。」
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私の席のそばに、ラファエルが、来た。
ラファエルは、治癒担当の天使である。
私たちは、部署が違うため、滅多に話さない。
しかし、ラファエルは、なぜか、私のところへ来て、こう、言った。
「ミカエル、君も、見たかい。十二月の、桜。」
私は、頷いた。
ラファエルは、しばらく、黙っていた。
それから、こう言った。
「最近、変なんだ、神様の様子が。」
私は、ラファエルの顔を見た。
ラファエルは、いつも、穏やかな表情の天使である。
その表情が、少し、曇っていた。
「最近、神様は、あまり、話さない。報告書には『想定内』としか返さない。会議にも、欠席が多い。」
私は、ラファエルに、訊いた。
「神様は、何か、考えごとを、しているのでしょうか。」
ラファエルは、しばらく、考えてから、こう言った。
「私には、わからない。ただ、神様は、何か、自分でも、わかっていないことに、悩んでいるように、見える。」
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私は、自分の席に、戻った。
そして、ふと、思い出した。
ガブリエル先輩が、最後に、私に言った言葉。
「ミカエル、君は、報告書を書きすぎている。」
そのとき、ガブリエル先輩は、もうひとつ、何かを言いかけて、やめた。
あの、続きの言葉は、なんだったのだろう。
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バグ報告 #00000004、ステータス:オープン。
追記:
夜、神様の部屋の前を、通った。
ドアの隙間から、灯りが、漏れていた。
こんな時間まで、神様は、何を、しているのだろう。
中で、誰かと、話している声が、した。
しかし、神様は、ひとりで、いるはずだった。