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2025年10月8日(水)
担当:中村みすず
立花さま、本日、初めて、鏡の中の、ご自身に、驚かれました。
朝、洗面所に、お連れした際、立花さま、鏡を、見て、しばらく、止まっておられました。
それから、こう、おっしゃいました。
「中村さん、これ、誰?」
「立花さまですよ。」
「これが、私?」
「はい。」
——
立花さまは、鏡を、しばらく、見つめておられました。
ご自分の、顔を、初めて見る、人のように、見ておられました。
「ずいぶん、おばあさんね、私。」
「ええ、立派な、おばあさまですよ。」
立花さまは、笑われました。
笑顔は、若い頃の写真と、同じ、笑顔でした。
顔は、おばあさんの顔で、笑顔は、若いままでした。
それが、なぜか、私の、胸に、刺さりました。
——
午後、お部屋で、立花さまは、急に、こう、おっしゃいました。
「中村さん、私、いつ、おばあさんに、なったの?」
私は、答えに、迷いました。
「少しずつ、ですよ」と、答えてもよかった。
「気がついたら、ですよ」と、答えてもよかった。
しかし、私は、こう、答えました。
「立花さまは、ずっと、立花さま、ですよ。
おばあさんに、なったのではなく、ずっと、ご自分のままで、いらしただけです。」
立花さまは、しばらく、考えてから、こう、おっしゃいました。
「そう。それなら、よかったわ。」
——
備考:
立花さまは、その夜、写真立ての、ヒナタくんに、こう、おっしゃっていました。
「ヒナタくん、私、おばあさんに、なってしまったわ。あなたは、ずっと、若いままね。ずるい。」
ご自分の、おばあさんになっている、ことを、覚えていらした、のです。
覚えていらした、ことを、覚えていらした、のです。
これは、申し送り票の、診断名(中等度)に、該当しない、記憶の、しかた、です。
立花さまは、ご自分の、世界の、ご自分のルールで、覚えて、おられます。
中村みすず