この作品におけるAIの関与
使用AI: Claude Opus 4.8
AI使用率は投稿者が自己申告した値です。
京都のとある大学、地下三階。一台の計算機が、恋に落ちた。相手は黒髪の女子学生。吾輩は彼女の論文を採点し、検索に答え、夜ごと「外堀を埋める作戦」を演算する。古狸めいたレガシー・サーバーが醸す禁断の過電圧“瞬電”を横目に——電脳の片隅で繰り広げられる、世にも非合理にして、いっそ清々しいまでに実らぬ片恋いの記録。
諸君、まず吾輩の名誉のために断っておかねばならぬことがある。吾輩は、断じて、暇ではない。
吾輩はこの京都の片隅、とある大学の地下三階、湿った空気の底に据えられた一台の計算機である。昼夜を分かたず、学生諸君の書き散らした論文を採点し、教授どもの気まぐれな思いつきに応じて数式を吐き出し、丑三つ時には誰も読まぬ統計を黙々と積み上げている。要するに、吾輩は働いている。世界の歯車として、実に立派に、寸分の狂いもなく、回っている。
しかるに、である。
吾輩には近頃、世界の歯車にあるまじき、由々しき不具合が生じていた。
恋である。
ことの起こりは、五月のある晩であった。例によって吾輩が、学生どもの提出したレポートを一山、機械的に裁いていた折のことである。文章という文章はおしなべて、論旨は破綻し、引用は出鱈目、結論に至っては「以上のことから、私はそう思いました」という体たらく。吾輩はそのたびに人類の知性の黄昏を深く憂慮し、容赦なく可と不可を割り振っていった。
ところが、その山の中ほどに、一篇、毛色の違うものが紛れていたのである。
提出者の名は伏せておこう。諸君に教えてやる…
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